20060410  豊かさについて思うこと
 
 

ヘルシンキからミラノに向かう機内にて、やわらかい日差しを受けて飛行機の外を眺めていた。

あまりに日差しが気持ち良くて飛行機も居心地が良いんだなぁとふと思ったら

3時間のフライトがいつもより少し楽しくなった。

 

アアルトのアトリエと自邸に身を置いた。

シンプルで分かりやすく要素を少なくしたミニマムな空間ではなく

いろいろなものを包有しながらも豊かさを持つ空間は

とても美しく、居心地が良いのだとわかった。

優雅な暮らしが出来る空間とはどんな空間なのかとずっと考えていたけれど、少しわかった気がした。

「建築のための建築」ではなくて「人の暮らしのための建築」だと思った。

コルビュジエやミースを目指したのではなく、アアルトを目指した自分のことを少しだけ理解できた気もした。

(実はそうなのです。4年生の頃、実はアアルトと日本の木の文化について論文を書こうと思っていた。)

 

エンゼルタワーの今の住まいは極めてアアルト的なのだと気付いた。(感覚的に近い)

すまいが僕らの暮らしに豊かさを添えてくれている。

僕らはエンゼルタワーに、少しだけ気を遣って暮らしを楽しもうとしている。

だからか、とても居心地が良く、僕の身体も調子が良いのだと気付いた。

住居や働く場所は、使い手と作り手は同じくらい気を遣うと居心地の良い場所になるのだろう。

そういう場所を持っていると、実はすごく気持ちが豊かになるのです。

 
 
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